東野圭吾の夢幻花を映画化したら?実写化前提にするとわかりやすくなる夢幻花のあらすじ

テレビドラマ、映画、小説と多岐に渡って人気の作家、東野圭吾の小説は色々な視点から読み手の心を鷲掴みにする作品ばかりである。

推理小説、ミステリーなどをイメージすると、ドロドロとした感じの内容だが、恋愛や社会的な観点、またSFなどの要素を取り入れつつ作品は進化し続けている作品の中から、『夢幻花』にスポットを当て見ていくことにする。

過去とのループ

物語のキーワードになるのは「黄色い朝顔」である。この黄色い朝顔は現世では存在しない幻の朝顔なのだが、その朝顔を巡って色々な人物を追っていくストーリーになっている。

小説の初めは、通り魔事件で男が殺され、子供を庇った男の妻も殺されるという事件を冒頭にあり、ガラリと場面が転換します。

実は、読み進めると過去の出来事がマッチするのですが、読み始めは全く意味が分かりません。ここが東野圭吾の得意としている部分だと思います。

主人公が一人に絞られず、どの立場からの視点からでも想像を膨らませてくれます。

過去と関連が無さそうな雰囲気を醸し出しておいて、実は、過去の出来事をリンクしているというのは映像化をしたら、場面チェンジが重要な際になってくると思います。

上手く取り入れれば、面白さやスリルがありますが、その背景を上手くだせないと残念な映像化作品になる作品でもあると思います。

確信が周囲を取り巻く

「黄色い朝顔」を取り囲んで事件が起きるわけです。そして、過去や複数の人物の視点から物事を判断していく作品となっています。

小説を読んでいても映像化されても、本作の「黄色い朝顔」は全面に打ち出すキーワードになっています。この確信が掴めれば事件が解決へと結びつけるのですが、一体なぜ、「黄色い朝顔」が事件と関わりあっているのか。

キーワードのルーツについても、過去に遡って調べてリンクさせていく作りになっているのです。

黄色い朝顔は、梨乃の祖母である周治が作っていた花の中にあった花であるが、周治が何者かに殺され、黄色い花の植木鉢が家からなくなっていることに気づくのです。

そして、その画像をブログにアップする事でストーリーが展開していう流れです。

時系列に進んで行く主人公の視点が面白い

上記の黄色い朝顔をブログにアップし、要介から「花に関わるな」という事を言われてから、ガラッと視点が移動して、蒼太の視点へと変わります。

そして、この主人公自身の心境であったり、周囲への想いなども絡めていきます。

映像化するには、この視点をどう繋げていくかが肝になる部分だと感じます。ここで、実は、主人公同士が会うと言う事です。

視点は違うけれど、時間は同じである。同時進行で進んで行くのです。場面は違っているのですが、キーワードである黄色い朝顔の正体をめぐり視点を変えてみていくのである。

視点が違うから物語の外側へ行ける

「黄色い朝顔」を巡って視点が移動していくのですが、この移動する場面、シフトしていく場面で、読み手や映像化させる時に、違う演出や想像を膨らませてくれる要素である。

一般的な事件シリーズでは、主人公が中心になって進んで行くことが多いけれど、視点が切り替わり主人公自体も切り替っているため、見ている人の想像を掻き立てる材料となっているのである。

この切り返しが東野圭吾の凄さではないだろうか。

まとめ

映像化をしたら、過去と現在の行き来と主人公の心情の推移や、時系列のリンクなどを繊細に描いていけないと面白みのない作品になると思う。

小説であれば、先を読みたくなる想像を読者にさせてくれる作品ですが、映画、ドラマなど実写化された場合は、この場面チェンジ、主人公が変わっていく様をいかに忠実に流れるように再現できるかが、ポイントになるだろう。

起承転結がしっかりと場面場面でなされて、内容がわからなくても小学生でも映像化されたものを見て納得する作品だと思う。

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