これから流行るもの。それは、香りのしない洗濯用柔軟剤や洗剤でしょう。
香り付き柔軟剤「ダウニー」がとても流行っている
今から10年以上前、まだ小さかった子供たちの手をひき、スーパーに買い物に行ったときの事。すれ違った女性からとても良い香りがしてきました。
最初は、あ~良い香り・・と、思ったのですが、すぐさま脳が拒否反応。
あまりにもその香りが独特かつ強烈ということを脳が察知し、私に危険信号を送ってきました。
それは今まで嗅いだ事のない複雑な香りだったので、一瞬頭が沸騰しかけるところでしたが、こちらは3人の幼子を抱えた夕方のスーパーの主婦。
その人の香りを逆探知する形となりながらも、必死に特売品の買い物を続けたのでした。
数日後、公園で待ち合わせをしたママ友に「この前、香水か何かの強烈な香りのする女性がいたんだよねー」と早速報告すると、
ママ友はおきまりのごとく「何でもつけすぎは良くないよねー」と無難な同調で返してきました。
しかし、なぜこの話題を彼女にふったかと言うと、彼女からもそのスーパーの女性と同じような香りがしていたからなのです。
もう、こうなるとこの香りの正体を知りたくてたまりません。
そして、公園でひとしきり子供たちを遊ばせた後、予定通り、ママ友のお宅にお邪魔しました。玄関に入った時にさらに濃くなるその香り・・。思い切って、「ねえ、この香りなあに?」と聞いてみました。
すると彼女はアメリカ製の柔軟剤をみせてくれました。
青いボトルにアメリカ人の女の子がにっこりと笑っている柔軟剤。そうです、みんなご存知「ダウニー」です。
私はこの時、はじめてダウニーなるものを知りました。
しかし彼女によると、今はこれがすごく流行っているとの事。
ネットでも注文できるし、外資系大型ショッピングモールに行けば必ず箱買いをするとのことでした。
なるほど!匂いの正体はこれね!と膝を打ちましたが、すぐには流行りに乗りたくないアマノジャクでありながら、でもちょっと流行りは知っておきたいという厄介な性格の私は、このダウニーなる香りに敏感になりました。
すると、他のママ友からもダウニー、3件先のベランダの洗濯物からダウニー、よそのご主人からダウニー、よその愛犬からダウニー、
しまいには、友達の家から帰宅した我が子がダウニー。
とにかく周りがダウニー一色になっているのを肌で、鼻で、感じておりました。
すると今度は日本の各メーカーが、その香りブームにさあ乗せろといわんばかりに、強い香りの柔軟剤をだしはじめました。
その名称は非常にバラエティーに富んでおり、プレミアムであり、ラグジュアリーであり、オードリュクスであり、ハピネスであり、とにかく豊富で40過ぎの私にはわけわかめ。
ブームの裏には、別のブームが。無香料柔軟剤のブームの兆し
しかし、良い香りは万人にとって喜ばれるものかというと、決してそんな事はありません。
どこに行っても良い匂いがする一方、もう匂いはこりごりだという話も耳にするようになりました。実際「香害」なる造語も最近はよく目にするようになりました。
それは、もしかしたら甘く良い香りのしすぎる「夫」や「息子」や「愛犬」からの抗議が発端なのかもしれません。
最近、じわじわではありますが、ドラッグストアに香りのマイルドなものや、無香料の柔軟剤や洗剤が並ぶようになりました。
私は早速、それらの商品を試しました。うん、昔の洗濯の香りがする、童謡に出てくるおかあさんのにおいがする。
なんだかちょっとほっとしました。やはり何でも過激に流行りすぎると、その反動から人は真逆のものを求めます。
香りのない柔軟剤や洗剤が爆発的に流行りはじめるのは、もうすぐだと思います。
強い香りはハイテンションの時は気分が良いですが、疲れた心にはしんどいですからね。愛犬の鼻にも優しくないですよ。
心が癒しを求める時代、ペットとくらす時代にこそ無香料が必要とされていると常に思っています。