災害が起こった際に集められる「●●金」と呼ばれるもの。
大きく分けて、義援金・支援金・寄付金という言葉が出てきます。その違いはいったいどこにあるのでしょうか?調べてみましたので、ご報告させていただきます。
義援金・支援金・寄付金の違いとは
24時間テレビといえば募金。何か起きたらテレビ朝日のドラえもん募金。自分が小さかったからかもしれないですが、大きな災害が起きても、寄付はどこがいいー、あーだこーだ、という声はあまり聞かなかったように思います。
一方最近は、インターネットが発達し、現地の情報・団体と繋がることがしやすくなったからこそ、個人で寄付先を判断するということが増えたのかな、と感じます。
そうなってくると、寄付先の名称が義援金・支援金・寄付金とそれぞれ呼び方が違っていて、とても気になります。
辞書の定義から見る違い
goo辞書(デジタル大辞泉)によると・・・
寄付金・・・組織・団体に贈った金銭。「―を募る」
義援金・・・《「義援金」は当て字》義捐のために寄付する金銭。
※義捐とは、慈善や被災者救済などの趣旨で、金銭や品物を差し出すこと。[補説]災害などの被害を受けた人の生活を支えるために、日本赤十字社や中央共同募金会などの団体に寄せられる寄付金。被災地の自治体に送られ、義援金配分委員会によって被災者に公平・平等に配分される。→支援金
支援金・・・大規模な災害が発生した際に、被災地で活動するNPO法人やボランティア団体などに対して送られる寄付金。→義援金
とありました。
つまり、こういうことです。
義援金も支援金も、大きい意味では寄付金の一種と言えます。
義援金と支援金の違い
義援金の場合は、いったん日本赤十字社や中央共同募金会などの団体に送られ、義援金配分委員会という機関が公平・平等に配分できるような仕組みを持っています。
支援金の場合は、寄付をしたいと考えている方が、自分の考えと、趣旨や理念が合うNPO法人やボランティア団体に渡して使ってもらうものです。
ですので、あえて違いをお伝えするならば、
とにかく困っている人のために使ってください! というのが義援金で、
こういうところに使ってほしい、というのが支援金、
ということができます。
日本財団による説明
また、東北復興のために作られたページだと思いますが、日本財団のページでは、インフォグラフィックを使ってわかりやすく表現されています。
※出典:http://www.nippon-foundation.or.jp/what/spotlight/tohoku_earthquake/infographics/
支援金の場合は、目的が決まっているため、間に入っているNPOがすぐに目的のためにお金を使うことができる一方、義援金の場合は、公平・平等という点から、いろいろな要素を加味したうえでお金を渡さなければいけません。
つまり、時間軸が違う、という見方ができます。具体的に言うと、
・復旧⇒支援金
・復興⇒義援金
という考え方で分けることができます。
先ほどの画像の中にも書かれていますが、義援金はお悔みや応援の気持ちを込めて送る、とありますので、復旧か復興かで寄付先を考えるのも一つの方法でしょう。
私も以前は、日本赤十字への寄付は遅い、と思ってイライラした時期もありましたが、役割が違うんだなと理解してからは、その時の状況と気持ちを考えて使い分けるようにしています。
寄付でちょっとだけ得もできる
ちなみに、寄附金控除という制度もあります。今の日本の制度では、控除のために寄付をするという方はそこまで多くないかと思います。でも、こういう制度があるので、せっかく寄付をされたのであれば、こういう方法を知っておくのも大事なのかなと思います。国から直接お礼は言えないけど、こういう形で感謝の意を表している、と思えば、制度を使うことに罪悪感は要らないと思います。
こちらは東北向けのページではありますが、ご参考までにご覧いただければと思います。
寄附金・義援金を支払った方へ@国税庁